ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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(c)朝日新聞社
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 ついに広島東洋カープがリーグ2連覇と相成りました。連覇はなかなか難しくなっています。しかし、カープの場合は昨年からほとんど補強もせず、戦力の底上げのみで2連覇を達成しました。ほぼドラフトで獲得し自前で育てた選手ばかり。一部の金満球団によるフリーエージェント選手のかき集めをよそに、「スモールベースボール」を実現した球団として大いに誇っていいと思います。

 今年は逆転のカープと言われましたが、データで見ても優勝が決まった136試合終了時点で、3回終了時にビハインドだった時の勝率がなんと、4割7分5厘もあり、2位のジャイアンツで2割6分ですからあり得ない数字です。実は6回時点ビハインドで見てもその勝率は3割もあるのです。野球は先取点を取ったほうが圧倒的に有利なのですが、これだけビハインドゲームをひっくり返しているというのはこれまでの常識ではあり得ませんでした。

 どうしてこれが可能になるのかと言いますと、それは先発が降りた(あるいはKOされた)後の中継ぎ陣が強力で点をやらないので、攻撃陣がじわじわ追いついて最後はひっくり返すという離れ業が可能なわけです。その中継ぎ陣の防御率が2.68とこれもリーグ最少(先発は3.73でタイガース、ジャイアンツより下)となっていることから見ても、中継ぎ陣がいかに踏ん張って逆転を呼び込んだか、ということが分かります。最も印象的だったのが前半戦終了前(オールスター前)に9連戦という厳しいスケジュールがあったのですが、ここで先発陣は崩れに崩れ、7回投げたのは薮田、野村、ジョンソンの3人だけ。あとはすべて早い回に先発陣が崩れ、そのあと延べ26人もの中継ぎを投入したにもかかわらず、防御率が2.05! 一人のピッチャーでも防御率2点台は優秀な数字ですから、26人で回してこの数字は尋常ではありません。

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一方走る野球も健在で…