松山英樹が四大メジャーの全米オープンを青木功に並ぶ日本人最上位の2位で終えた。リズムはいい。次は7月、全英で“その時”が来るかもしれない。
まさに至福の時間だった。
プロゴルファーの松山英樹が全米オープン最終日(6月18日)のラウンドを、首位とわずか1打差で終えた時、開催コースのあるウィスコンシン州ミルウォーキー近郊にいた日本人メディアは、日本人初のメジャー制覇という歴史的瞬間に立ち会えるかもしれない──そんなゾクゾクする時間を過ごしていた。
しかし、直後に首位のブルックス・ケプカが3連続バーディーを決め、快挙への期待は泡と消えていった。全選手のホールアウト後に姿を現した松山は、いつもの仏頂面ではなく、さすがに晴れやかな表情をしていた。
「普通の試合でもこんなに上位にいれば緊張もしますし、アドレナリンも出ます。そこをうまくコントロールできるかできないか。今日は良いプレーができました」
「優勝のチャンスある」
会場のエリンヒルズGCには、4日間を通じて気まぐれなミルウォーキーの風が舞い続けたが、松山も日ごとに毛色が異なるゴルファーだった。
「最悪」と振り返った初日は2オーバー(82位タイ)と出遅れ、3日目は上位選手がスコアを伸ばす中で、足踏み。それでも「最高です」と語った2日目と最終日にそれぞれその日のベストスコアを叩き出し、最終的には通算12アンダーに達した。
結果、青木功に並ぶメジャー大会日本人最上位記録の2位タイで5度目の全米オープンを終えた。青木に代わって「世界のMATSUYAMA」の称号こそふさわしい。
「(不調に陥っていた6月の)ザ・メモリアル・トーナメントから応急処置的にスイングを変えた部分があった。納得のいくショットが増えてきているので、メジャー優勝のチャンスも増えていくんじゃないかな」
●今季はケガも抱えつつ
同大会のテレビ中継でラウンド解説を務めた青木は、松山の実力をこう評価した。