「まず、ざっくりで構わないので何にどれぐらい支出しているかを把握して、減らせる費目がないかを検証していきましょう。特に効果が出やすいのは、通信費や保険料といった『固定費』。一度見直せば、削減効果がずっと続きます」

●40代は最後のチャンス

 たとえば、スマホを大手キャリアから格安SIMに乗り換えれば、月7千円程度から2千円程度に削減することも可能だ。夫婦で乗り換えればそれだけで1万円の節約となる。乗り換えが難しい場合でも、料金プランを見直したり、FaceTimeやスカイプといった無料通話アプリを活用するだけで変わる場合もある。

 保険に関しては、「40代は見直しのラストチャンス」。50代になると病気で新規での加入ができなかったり、そもそも保険料が高くて加入できる商品がなかったりすることがあるという。

「金利の高い時代に契約した『お宝保険』は別ですが、それ以外の貯蓄型保険商品に有利なものはほとんどないので万一の保障に絞った掛け捨てが合理的。死亡保険なら子どもが大学を卒業するまでの期間で設計したり、医療保険でもがんや3大疾病のカバーに絞って、他は社会保険の『高額療養費制度』で賄うという選択肢も」

 食費や日用品といった変動費に関しては、予算を決めるのが有効だという。

「1週間単位だとコントロールしやすいのでオススメ。8人家族のわが家では食費と日用品は週に2万円と決めて、万一使い過ぎたら翌週の予算をその分減らしてやりくりしています」

教育費の聖域化はNG

 収入は少なくないのにためられない世帯で目立つのが、教育費のかけすぎだ。「聖域」とばかりに習い事をいくつも掛け持ちさせたり、受験準備だけで200万円は必要とされる私立中学への進学を当然と考える家庭も。

「習わせたいことや進学させたい学校があるなら、そのための出費は仕方ありません。ただし、お金をかけるのが良い教育とは限らないので、本当に必要かどうか子どもと一緒に考え直す機会を持っても損はない」

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