早朝に大阪・梅田駅に到着。乗客の関西在住の女子大生2人組に話を聞くと、
「ディズニーランドへ遊びに行ってきました。安いから往復で高速バス。慣れちゃった」
若くて体力がある人ならともかく、年配者や体格がいい人に4列シートは厳しい。
●部屋の広さは1畳弱
さて復路は、本命のドリームスリーパーIIを予約した。発着場は大阪駅から電車でおよそ30分の門真市駅近くの両備バス門真車庫。専用待合室があり、靴を脱いでゆっくりくつろげる。早くもリッチな気分。門真からの乗客は記者を含めて3人。出発時、乗務員2人が深々と頭を下げて迎えに現れ、何だかサービスもすごそうな予感がする。
車内は土足禁止。靴を脱いで、用意された専用スリッパに履き替える。中に進むと、ホテルのような内装で思わず「わぁ!」と感嘆の声が出てしまった。各部屋は扉とパーテーションで仕切られ、中に入ってドアを閉めれば、完全な個室状態だ。
部屋は全11室で、広さは1畳弱。自動リクライニングシートや色々なアメニティーもある。大きな窓ガラス越しに見える夜景も一人占めだ。間もなくノック音がし、乗務員が挨拶に。片ひざ立ちでおしぼりを手渡しされ、恐縮してしまった。
室内を見回していると、シートの上に「小型カメラ」を見つけた。乗客が立ち上がっている時に、運転席のモニターから後頭部が確認できるという。カメラに映る位置に赤いランプも見つけたが、ドアが開いていると点灯する仕組みで、プライバシーを守りつつ、乗客の安全にも気を配っていた。
●室内で着替えも可能
さて、一日中取材で歩き回ってむくんだ足にスキニーパンツはキツイ……。落ち着いたところでスウェットパンツに穿き替えることにした。着替えてリラックスできるのが個室の醍醐味だ。ただ着替える際は小型カメラに要注意。特に女性の場合、うっかり立ったまま豪快に着替えるのは避けたほうがいい。
21時50分に発車後、大阪・なんばの停留場を経て東京へと直行。その間、なんと静かなプライベート空間だったことか。かつて、車内に響く大きないびきや、隣人のイヤホンから漏れる音楽、携帯電話のブルーライト、食べ物のニオイや体臭などなど、気になってイライラしたことがあった。他人の見たくない寝顔を見たことも。でも今回は他人の気配を一切感じることもなく、自分の寝顔も見られることなく過ごすことができた。