きっかけは“石原慎太郎キャラ”のIさんの父の一言。父の仕事関係の知人の娘と会うことになった。互いに経歴や趣味などを書いた「身上書」を作成。父の顔を立てるため、一種の“企画”という感覚だったという。

「友だちと『身上書を見る会』を開催したり(笑)。冷やかし半分な気持ちもありました」

 とNさん。お見合い当日。居酒屋でお互いの父と4人で会った。父親同士は仕事の話で勝手に盛り上がり、初対面の2人はほったらかしに。ただ、だからこそ肩の力を抜いて話ができたという。

「『タモリ倶楽部が好き』と聞いて、『話しやすい子だな』と思ったのを覚えています」(Iさん)

 その後、何度かデートを重ねるうちに、「話しやすい」「気が合う」とお互いに感じたのが結婚の決め手となった。すでに親同士が知り合いであるため、「相手の親に会う」という結婚前の一大プレッシャーもクリアしており、スムーズに結婚の流れへ。2年間の交際を経て結婚。結婚から10年たっても、会話の絶えない仲の良い夫婦だ。(編集部・市岡ひかり、柳堀栄子)

AERA 2017年3月20日号