●東京都内に844カ所

 一時滞在施設となるのは自治体の役所などの公共施設に加え、自治体と協定を結んだ民間施設。例えば、2013年に建て替えられた東京・銀座のランドマーク「GINZA KABUKIZA」は中央区と協定を結び、地下鉄東銀座駅直結の広さ約1200平方メートルの地下2階「木挽町広場」を一時滞在施設として提供する。

 日中は土産物などを売る屋台が20店近く並び縁日のように賑わうが、午後6時にはすべて片づけられ、巨大空間が出現する。

 株式会社歌舞伎座の総務部総務課長、鈴木士朗さんによれば、

「この広場と7階のスカイロビーで約1千人、劇場内に約2千人。施設全体で約3千人の帰宅困難者受け入れが可能です」

 地下3階には備蓄倉庫も整備。3日分の水、非常用食品、ブランケット、マットが入った「緊急サバイバルキット」を3千人分収納する。キットは5年間保存でき、費用は共同事業者の松竹株式会社と共に負担しているという。

「社会貢献の一つでもあり、歌舞伎をご覧になられるお客さま、観光でいらっしゃるみなさまに、安心して施設をご利用いただきたい」(鈴木さん)

 東京都によれば、都が把握している一時滞在施設の数は844カ所。そのうち民間施設は393カ所ある。だが、GINZA KABUKIZAのように公表している民間施設ばかりではない。

 一時滞在施設は区市町村が所有・管理していて、事前の公表・非公表についても「それぞれの区市町村が決めている」(都防災管理課)。

 そこで本誌は、4大都市圏の各自治体にもアンケート。一時滞在施設数と現時点の公表数について尋ねた。

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