●エントリーが激減

 就活にとってインターンは必須になりつつあるのだ。

 だが、インターンが急増する陰で、大手に比べ知名度に劣る中小企業やBtoB(企業間取引)企業は問題に直面している。

 ある大手プログラミング会社の人事担当者は、インターン参加者の激減に悩んでいる。

 ここ数年、BtoB企業として、インターンに力を入れてきた。業務に求められる思考力や問題解決能力を試すゲームを開発し、実施してきた。昨年度まで「優秀な学生がくる」と手応えを感じていたという。だが、今年度は違う。

「18年卒採用向けのインターンは、エントリーが激減しました。全企業で1day開催が増え、私たちの情報は埋もれてしまったのでは。学生さんもインターン=大手という認識が根強いのかもしれません。社会的なニーズは大きい仕事なのですが……」

 ある大手金融会社の人事担当者は、5日間という日数撤廃に危機感を抱いている。

「1日インターンに、私自身は反対です。5日間のプログラムを通じて、学生の成長する姿も見てきました。大学からも『5日間以上を応援したい』との意見をいただいています。たった1日のインターンは、果たして就業体験と呼べるのか」

 この企業では5日間のインターンを3プログラム準備している。単年度の参加者は約2千人。経団連の指針を順守し、採用にはつなげていない。

 インターンを採用に直結させるかについては、文部科学省が協議を重ねている。インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議は、2月2日に第3回が開催される予定だ。

「もし採用に直結させるなら、インターン開始から就活が始まることになり、大学での学びという学生の本分が損なわれます。優秀な学生を3年次から追い続けることになれば、企業の負担も増えるだけです」(谷出さん)

(編集部・澤志保)

AERA 2017年2月6日号