14年2月の「東北食べる通信」が東松島の海苔漁師を特集。漁師の思いに触発された同市アンテナショップのスタッフが「もっと彼の海苔を売りたい」と言うのを聞いて思ったという。
「町おこしのツールに使える」
3誌目の「食べる通信」として創刊した。メインターゲットは東松島市民だが、創刊号から黒字。400人弱の読者の半数以上を市外在住者が占め、東京の人気シェフが腕を振るう。
「中の人たちが楽しめないようでは、外の人も楽しめない。内側へ内側へとグルグル人を巻き込んでいったら、いつの間にか中心を突き抜けて外側に渦巻きが広がっていきました」(太田さん)
各地の「食べる通信」が共有するのは、「社会を少しでもよくしたい」という等身大の思い。グローバルを知るからこそローカルの魅力がよくわかる。その複眼が、何かを動かしていく。
(編集部・石田かおる)
※AERA 2017年2月6日号