結婚阻む数々の障害

 ただ、彼女は白人と黒人のダブル、バツイチ、王子よりも3歳年上、イギリス人ではないと、英王室にとっては問題視する要素がたっぷり。「C級女優と結婚したら王子は世界中の笑いものになる」「王子、お願いだから正気に戻って」と悲鳴が上がっている。マークルさんには「王室入りすると、自分のしたいことができなくなる」と“自覚”を促す意見もある。
 兄ウィリアム王子(34)は「進め方が早すぎる」と弟の拙速をいさめ、一方キャサリン妃(35)は、貴族でもなく若くもない外国人女性の出現を「自分を脅かさない存在」と歓迎しているといわれる。中には「人種差別をせず、バツイチに偏見もなく、国際結婚に理解を示す英王室をアピールする良い機会」と背中を押す声もある。

 マークルさんの異母姉は、「自己破産申請した父親に精神的にも経済的にも救いの手を差し伸べなかった。自己中心的で野心家のナルシスト」と痛烈な批判をする一方、異母兄はマークルさんの少女時代の写真をメディアに提供して、彼女の子ども好きや性格のやさしさを挙げる。もっとも、その後泥酔した彼は不法所持の銃を同棲中の女性の頭に押し付けたなどとして脅迫罪で逮捕された。いくつもの障害を乗り越え、婚約・結婚まで進むのか。王子の恋の行方から目が離せない。(フリージャーナリスト・多賀幹子)

AERA 2017年2月6日号

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