「最初は確かに面倒です。でも、やればやるほど、好きなように食べていた今までの食生活が恐ろしくなる。ちょっと食べただけですぐ1千キロカロリー超えるんですから」
悲喜こもごもを見ていると、ダイエットの成否には、身近な家族や友人との関係も影響していることがわかってくる。
「昨年、朝食・昼食をしっかり取って夕食は豆腐サラダや魚介類と玉ネギのサラダなどで軽く済ませる方法で8キロやせたのに、独居になった寂しさから間食が増えて挫折」(66歳・女性)
なんていうちょっと切ない話がある一方、
「78キロあった体重が、結婚して半年で15キロ減。結婚相手が小食な人だったことと、私の実家は何にでも砂糖をどっぷり入れていたのを改善したため」(54歳・女性)
という人も。
●家族の協力で成功
ダイエットが高じて拒食症にまで至ってしまった経験を持つ29歳の女性は、
「身長157センチ。一番やせていたときは32キロまでいった。生理は止まるし、硬い椅子に長時間座っただけで、お尻にあざができた」
精神的に不安定になり、親子関係もぎくしゃくしたという。
それでも、自分が病的にやせているとは思わず、結局、家族に連れられて心療内科へ。
「体を壊して、健康について考えるようになりました」
今は、バランスのよい食事を心がけ、49キロ前後を保ち、定期的に運動もしているという。
家族の協力でダイエットを成功させた、という人は多い。
「糖尿病と脂肪肝が深刻になって、栄養指導の先生がついた。だが、話を聞けば聞くほど、長年、女房に言われ続けたことと一緒だった」(47歳・男性)
妻の進言は箴言である。
「結婚して、妻の作る手料理を残したくない、というのも、肥満が始まる一因でした。カロリー制限を始めたときは妻にも理解してもらい、一緒にダイエットに挑戦。妻も、理想体重を実現しました」(56歳・男性)
ごちそうさまでした。
回答を読み解くと浮き彫りになるのは、ダイエットをしている人は前向きだ、ということだ。今よりももっと、向上したい。そんな気持ちは、やっぱり尊い。つまずいたっていいじゃないか、ダイエットだもの。
※AERA 2016年12月26日号