11月末に札幌で行われたNHK杯で301.47と今季の男子最高点をたたき出した羽生結弦(21)。9~10月のオータム・クラシック、10月のスケートカナダはいずれも260点台に終わっていた。その間に何があったのか、をスポーツライターの野口美恵氏が『アエラ 12月12日号』に書いている。
記事によれば、「プラス40点」をもたらしたのは、コーチを務めるブライアン・オーサーとの「4回転ループ」を巡る戦略と駆け引きだった。
世界で初めて公式戦で4回転ループを決めることにこだわった羽生と、プログラム全体の質を上げることを優先すべきだと考えたオーサー。羽生はオータム・クラシックで「世界初の4回転ループ成功」を成し遂げたが演技全体の得点は伸びず、スケートカナダではそのループもミスしてしまった。
その後二人は腹を割って話し合い、歩み寄ってNHK杯を戦って、「300点超」という成果を手にしたのだが、記事はその後再び、「ピークの作り方」を巡って羽生とオーサーの意見が割れている、と伝えている。
羽生は言う。
「僕自身はピークが12月のグランプリファイナルでもいいと思っています。ブライアンにも言いましたが、ピークどうこうではなく、自分がどんな状況でも勝ちたいし、いい演技をしたいし、楽しく滑りたいんです。だからファイナルに向けて、しっかり練習します」