A:あとは、“ネット葬儀社”にも評判の悪いところはありますね……。その典型は、某流通グループのネット葬儀社。彼らはお客さんの要望に合わせて葬儀社を紹介する仲介業的ポジションなのに、なまじブランド力があるから、我々を下請けのように使おうとする。紹介先の葬儀社はランク付けされていて、「A」から優先的にお客さんを紹介してもらえるんですけど、これは数万円を払って講習を受ければ簡単にランクが上がります。各葬儀社にはそれぞれの仕入れルートがあるのに、そのネット葬儀社は自社で仕入れた棺などを、提携先に購入させるかたちで、業者から搾り取ろうとする。私はあまりにも腹が立ったんで仕事をするのを辞めました。

●家族葬の落とし穴

──結局、あくどい葬儀社に騙されないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?

C:今は事前相談が一般的になっているので、亡くなる前に複数の葬儀社に相談に行ってみるのがいいでしょうね。見積もりを断ってくるようならば、悪質な業者。相見積もりを取られて、他社と比較されるとボロが出ると考えているのがみえみえです。

A:流行の「家族葬」だと、金額を抑えられると思っているお客さんが多いですね。お客さんとしては、ぼったくられないように予防線を張っているつもりなんでしょうけど、実際には「家族葬○○万円」と謳っていても、斎場費用が含まれていないことが多い。個人経営の葬儀社ですと、依頼に応じて公営の斎場を押さえるので別建てにしているんです。さらに、通常なら安置する日にちを考えると、最低でも3日分のドライアイスが必要なのに、最低限のセットプランでは1日分しか含まれていなかったりする。加えて、多いのがそのセットプランに戒名料やお布施が含まれていると勘違いしてしまうケース。そうした積み重ねで、5、6人の小規模葬儀にもかかわらず、100万円以上請求してくる葬儀社はまだまだある。言葉に踊らされず、見積もりの項目を細かくチェックすることが重要ですね。

(構成/ジャーナリスト・田茂井治)

AERA 2016年8月15日号

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