A:病院への寄付だったり、救急車の寄贈だったりと様々。なかには病院の改装費用を出して入り込む葬儀社もある。改装現場の立て看板を見てみたら、施主が葬儀社だったっていうことはザラにあります(笑)。
B:それでも、やっぱり病院付きの葬儀社に頼むお客さんは一定層必ずいるんですよね。お世話になった院長や婦長さんに紹介されたから、むげに断るのも悪いと思ってしまう遺族もいる。
●法外なキャンセル料
A:葬儀社の人間が医者と同じ白衣を着ていることもありますね。だから本当は葬儀社の人間なのに遺族が勘違いして、「病院の方が言うなら」と言われるがまま、契約してしまうこともある。
B:ほかの患者さんの目を気にして白衣を身に着けているという面もあると思います。スーツ姿の人間が病院内でご遺体を運ぶと目立ちますので(笑)。
──契約を途中でキャンセルしてもいいわけですよね?
C:もちろん、病院付きの葬儀社に搬送してもらってからでも、キャンセルは可能です。ただ、そのときも用心が必要。法外なキャンセル料をふっかける葬儀社も少なくないですから。葬儀3日前にキャンセルして、キャンセル料を約65万円も取られた人を知ってます。花なんて前日に飾るのに「発注したから」とその分も請求されてましたよ。
B:通常ならドライアイスが1日5千円×日数分で、遺体を包むポリマーシーツが5千円、病院から安置所への搬送料が3万円程度ですから、5万~6万円のキャンセル料が妥当なところ。
C:それにしても、病院に入り込むのに、どこも本当によく努力されてますよ。都立だと抽選で複数の葬儀社との契約を決めるので、実態は同じなのに異なる葬儀社名で抽選に申し込むのが常套手段。「アエラ葬祭」が「AERAセレモニー」というグループ会社をつくって抽選に申し込んで、確率を上げようとする。