都知事選も惨敗の民進党。代表選に早々と蓮舫氏が立候補表明した。世界中で女性政治家が活躍するなか、彼女は党の救世主となれるのか。
民進党の岡田克也代表の任期満了に伴う代表選は、9月2日に告示され、15日に投開票される。岡田氏が都知事選投開票前日に不出馬を表明したのには驚かされたが、蓮舫代表代行が8月5日、早々と出馬表明した。
先の参院選では東京選挙区で100万票以上を獲得し、ぶっちぎりでトップ当選した蓮舫氏。好調とはいえない党勢のなかで一人、気を吐いている。
●誰が負け役になるか
新しく誕生した東京都知事も女性、目を世界に転じても、米国のヒラリー・クリントン氏、英国のメイ首相など女性リーダーが目白押しだ。そこで、彼女を前面に押し出していこうという声が党内からもわき起こり、本人も覚悟を決めての出馬となった。大本命とみられる。
というより、もしかしたら、立候補が彼女だけで無投票になる可能性もある。
今のところ、ほかにも立候補の動きを見せているのは、長島昭久氏や玉木雄一郎氏、長妻昭氏ら。議員グループを率いる前原誠司氏や、細野豪志氏の動きも注目されている。
が、立候補に前向きな人々も、推薦人20人を集めるのに苦戦している模様だ。蓮舫氏が非常に有力なだけに「誰が負け役を引き受けるか、という状況」(同党若手議員)だという。
「おいおい」と、違和感を抱く人は多いのではないか。党内が一致結束しているから、ということならいい。だが、とてもそうとは思えない。
参院選で一定の効果を出した共産党を含めた野党共闘を始め、現執行部の敷いた路線に異を唱えている人々は確実にいる。前述した長島氏や玉木氏らはその筆頭だ。であれば、代表選は議論を交わすいい機会だ。蓮舫氏も出馬会見で、
「民進党はどんな国をつくる政党なのか、わかっていただける代表選にしていきたい」
と語っている。
●無投票なら自民と一緒
現執行部は、蓮舫氏を担ぐ人々が多いとみられる。ある幹部は、若手擁立の動きを見せた議員に「そんなことをしたら弾圧する」と、恫喝ともとれる発言をしたという。