少子化で、子どもをめぐる犯罪が後を絶たない昨今、地域で子どもを育むPTA活動はもっと評価されてもよいはず。それなのにPTAが敬遠されるのは、子どものためとは言いがたいブラックな活動が残っているからだろう。「全員平等に参加するために係を増やす」「誰も来ない講座を企画する係と、サクラの係がいる」など、明らかに無駄な活動に振り回され、悲鳴を上げる親は少なくない。「PTA代行業」をうたう便利屋も登場しているほどだ。

 無駄な作業は思い切って“断捨離”したほうがいい。ベルマークは子どもに任せたり、登校時の見守りは事故が起きやすい場所だけの重点フォローにしたり。一方、「子どものため」の活動に集中できるよう、無駄な手間を省くために必要な作業もある。例えば、引き継ぎの文書。毎年同じ業務でつまずかないよう、マニュアルをデータ化しておくのは企業では常識だが、役員のITリテラシーがバラバラなPTAではできないことも。

 東京都内のある小学校では、昨年度までPTAを牛耳っていた女性役員が、文書をまったく残していないことが発覚した。後任者をフォローしている会社員女性(44)はこぼす。

「突然の退職で引き継ぎができないことは会社でもあるけど、PTAは周りにもベテランがおらず、誰に何を聞けばいいのかわからない状態。みんな右往左往して余分な手間が増えた。私もうつになりそうです」

 毎年、担当者が代わり「常勤」ではないPTAこそ、情報を丸抱えせずに共有する必要がある。(アエラ編集部)

AERA 2016年5月2日-9日合併号より抜粋

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