部活の“外部委託”の動きが(※イメージ)
部活の“外部委託”の動きが(※イメージ)
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 体罰や理不尽な練習。子どもにとっての「ブラック部活」をアエラ本誌は報じた。だが、ブラックな状況は教師とて同じ。土日もなく無給で働かされている。

 公立中学校に勤務する30代の男性は、新任の年にソフトテニス部の顧問になった。部活は素人ゆえ専門書を読みながら懸命に指導法を研究する一方で、普段の学校生活では学習プリント作りや授業準備に研修、さらにどう生かされるかもわからないさまざまな報告書の作成に追いたてられる。平日は部活終了後の夜7時過ぎから職員室や自宅で残務整理をし、就寝時刻は午前2時。マイカー通勤の途中、信号待ちの数秒間でハンドルに頭を押しつけ眠ってしまったこともある。

 そんな状況を受けて、首都圏や中部地方などで公立中学校に勤める教員ら5人と「部活問題対策プロジェクト」を結成し、オンライン署名サービス「Change. org」で署名集めを始めた。「部活がブラックすぎて倒れそう…顧問をする・しないの選択権を下さい!」の呼び掛けに、わずか2カ月で集まった署名は2万2千人超(2月19日現在)。

 ネット上で「真由子」と名乗る対策プロジェクトのメンバーは、部活のない小学校教諭への転向を考えたことも。

「一部の人だけの問題ではない。声は上げないサイレントマジョリティーがいる」

 2006年度の文科省「教員勤務実態調査」によると、中学校教諭の実に92.4%が部活動の顧問をしている。真由子さんが自身のブログで部活問題を発信すると一度に数百、中には2千以上のコメントが寄せられることもある。共感する意見がほとんどだが、中には部活顧問を拒否する行為について「子どもを置き去りにしている」「周りの教員にしわ寄せがある」といった批判もある。それに対し、真由子さんはこう反論する。

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