「日本のコンテンツを海外に輸出してクオリティーの高さを知ってもらうと同時に、観光誘致を狙う。国を背負った事業です」と明かすのは、テレビ朝日総合ビジネス局国際ビジネス開発部長の新堀仁子さん。実は「TABI JAPAN」は、放送コンテンツの海外展開による地域経済活性化が目的のモデル事業として、総務省の支援を受けている。

 タイからの訪日客数は、中国、韓国、台湾、香港に次いでアジアで第5位(15年11月、日本政府観光局調べ)。空前のインバウンドブームを背景に日本政府とテレビ局がタッグを組み、ジラユさんを観光客誘致の起爆剤に起用したという構図だ。

 かつてジラユさんが主演映画「Timeline」の撮影をした佐賀県のフィルムコミッションによると、14年にタイで公開された直後から佐賀を訪れるタイ人は4倍近く増加。ロケ地の祐徳(ゆうとく)稲荷神社には、観光バスが乗り付けるようになるなど、「ジラユ効果」は実証済みだ。

「TABI JAPAN」では、それぞれ63 万人と260万人超のフォロワーを持つジラユさんのツイッターとインスタグラムでも旅を発信。「東南アジアの周辺諸国にも波及効果が広がれば」(新堀さん)という。

AERA  2016年1月25日号より抜粋

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