紀伊國屋書店新宿本店にズラリと並ぶおせちの本。「12月31日」「大晦日」でできる、がキーワードになっている(撮影/写真部・長谷川唯)
紀伊國屋書店新宿本店にズラリと並ぶおせちの本。「12月31日」「大晦日」でできる、がキーワードになっている(撮影/写真部・長谷川唯)
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 手間と時間のかかるおせち作り。しかし最近は「時短」や「アレンジ」など、これまでとは違ったおせちが注目されているようだ。クックパッドの人気レシピ作者におせち作りテクを聞いた。

 最近のおせちの本を見てみると、『12月31日でも間に合う簡単おせち』(学研プラス)、『大晦日だけでできるおせち』『12月31日につめるだけのフリージングおせち』(ともにエイ出版社)など、「12月31日」がキーワードのようだ。

 クックパッド名「tomobanana」さんこと小澤朋子さん(38)はこう振り返る。

「昨年末は直前まで作る気がなくて。でも、家にいるなら豆くらい煮ようかな、と30日ごろから思い始めて。子どもの面倒をみながら、31日にちょこちょこっと作りました」

 小澤さんは食品会社に勤務し、4歳と2歳の男の子がいる。

「スタンダードなおせちは親戚の家で食べるので、我が家はアレンジおせちです。子どもが小さいので、子ども受けするレシピですね」

 黒豆は、はちみつとドライフルーツを加えてスイーツ風に。なますは酢と砂糖に、はちみつとレモンをプラス。田作りはバターでカリカリに炒って、クルミを入れた。さらに紅白のおかずは、子どもが好きなチーズとハムをキャベツで巻いて一品作った。

「もともとアレンジ料理を考えるのが好きで、昨年のおせちの黒豆は甘くせず、軟らかく煮てベーコンと合わせました。おいしかったのですが、『黒豆は甘いほうがお正月らしいよね』という夫の一言で今年は却下です(笑)」(小澤さん)

 12月31日はほぼ詰めるだけの、フリージング派もいる。「朝まと」さんこと深山真澄さん(45)だ。

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