運動量が落ちることに加え、狭いオフィス内で気分転換するために、お菓子や甘い飲料に手が伸びやすいのだ。

 同じく運動量が少なくなりがちな運輸業について、荷物の陸上運送を担う中小企業が加入するある健保の担当者は、こう説明した。

「走った距離で稼ぐ仕事なので、休憩もそこそこに昼食をかき込んで仕事に戻る人が多い。運転中は眠気覚ましに甘い缶コーヒーを飲み、夏場には清涼飲料水。トラックの中には空き缶やペットボトルがゴロゴロしているという話もよく聞きます」

 だが、健保から効果的な指導をするのは難しい、と担当者は嘆く。運転手は車内で一人になる時間が長く、監視の目が届きにくい。さらに、同じ会社で働くドライバーでも荷主によって勤務時間が多様で、日中の定時勤務もあれば、夜勤や交代勤務もある。画一的な生活指導が難しいのだ。運転免許があれば仕事ができるため、定年後の再就職や中高年になってからの転職先として人気が高いということも、業界の肥満率を押し上げる一つの要因になっているようだ。

AERA  2015年7月20日号より抜粋

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