健康第一のビジネスマンにとって、「内臓脂肪」は気になるもののひとつ。この内臓脂肪の多さと職業の関係をみていくと、意外なことがわかってきた。
全国約1400の健康保険組合からなる健康保険組合連合会が、2013年度の特定健康診査の結果を分析したところ、内臓脂肪症候群の多い職業は建設業、年金事務などの公務、運輸業だった。
運動量が多そうな建設業が1位というのは意外に思えるが、東京大学政策ビジョン研究センター特任助教で医学博士の古井祐司さんによると、体力を使う分、それに耐えうるカロリーと塩分を摂取してしまいがちだという。
特に警察官や建設作業員は、昼食は弁当や外食になりがち。さらに、職場に受け継がれている「理想像」も影響している、と古井さんは指摘する。
「体が小さいと小突かれて、バカにされてしまう雰囲気がある。新人は体の大きな先輩たちにあこがれて、最初は頑張って揚げ物やカロリーの高いメニュー、大盛りを食べ、見よう見まねで醬油やソースもたっぷりかける。それが習慣となり、肥満につながるのです」
建設現場ができると、近くのコンビニや弁当店は大盛りや高カロリーの弁当を多くそろえるようになるのも、それがよく売れるからだ。
一方、2位にランクインした公務員のようにデスクワークが多い仕事にも、独特のリスクがある。