「国立小学校は受験資格として『指定通学区域居住』や『23区内居住』などの制限があり、レベルの高い国立にどうしても入学させたいと思う親御さんは、無理なく通学できる学校の近くにご自宅を購入なさる方もいらっしゃいます」

 目黒区の自由が丘、八雲周辺も「お受験組」のホットスポット。東京都目黒区の私立保育園「駒沢の森こども園」を経営し、ママたちの世界に詳しい角川慶子さんは、その理由をこう話す。

「いわゆる『お受験幼稚園』が多いんです。田園調布にある名門『小さき花の幼稚園』をはじめ、慶應幼稚舎に強い『上野毛幼稚園』や芸能人のお子さんも多く通う『若草幼稚園』など選択肢が多いので、子どものカラーに合わせられます。近くには、国立の『東京学芸大学附属世田谷小学校』があるので、私立と併願するために住む人もいます」

 あくせく働く必要のない「不労所得でラクラク型」が集うのは、港区の青山、赤坂、麻布周辺や大田区の田園調布周辺。高級物件を多く扱う「表参道不動産」の加瀬恵子さんが言う。

「3A(青山、赤坂、麻布)は新築の大規模マンションが少なく、富裕層が住みたがる100平米超の物件はあまり出ません。そのため、成り上がりのIT長者のような人は少なく、先祖代々お金持ちという人たちが独自のコミュニティーを形成しています。一流ディベロッパーが造った低層階でワンフロアが広いマンションを好む方が多いですね」

 同じ富裕層でも、渋谷区の代々木上原や恵比寿、世田谷区の二子玉川などはエリートサラリーマンや医者など“自力派”が新たなハイソサエティーを構築。都心ではないが、中央線沿線の国立駅周辺は、ナチュラル志向で、昼間にペットを連れてカフェでお茶をし、広いガレージで夫婦それぞれの車を2台所有する、といったライフスタイルが王道だという。

AERA 2015年6月8日号より抜粋

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