
いま、横浜DeNAベイスターズが燃えている。親会社がDeNAに代わり、中畑清監督の体制になって4年目。監督や球団がまいた“変革の種”が実を結び、9年連続Bクラスのチームは進撃を続ける。5月中旬には大洋時代以来51年ぶりとなる7カード連続の勝ち越しを記録し、27日には12球団最速の30勝。僅差ながら、巨人を差し置いて首位に座る(28日時点)。
「ハマの珍事」なんて言われることもあるが、ファンの自信は確信に変わりつつある。
27日のオリックス戦の9回。背番号19のクローザー・山崎康晃(やまさきやすあき)の名がコールされると、球場はひときわ大きな歓声に包まれた。ファンは勝利を確信し、ノリノリの曲に合わせてジャンプする。
この男、28日の時点でセ・リーグのセーブランキングのトップを走る22歳のドラフト1位ルーキー。メディアは落ちる変化球を武器とする177センチの右腕をかつての守護神・佐々木主浩と重ね、「小さな大魔神」と呼ぶ。
山崎はこの日、頭部死球による退場処分となった前回登板のショックを振り払い、新人記録の月間10セーブ目をマーク。抜群の安定感を誇る上に、フィリピン出身の母親を大切にするイケメンだ。球団OBの駒田徳広さんはこう解説する。