「保活はナンセンスだが、責められるべきは、そんなばかげたことを国民に強いている国や自治体のほう。小学校と同様、誰もが安心して預けられるよう、保育園を全入にするのは自治体として当然の責任。市債を発行してでも早急に取り組んでほしい」
昨年12月に次女を出産した目黒区の会社員女性(39)は、この4月に職場復帰する予定だったが認可保育園に入れず、6月まで育休を延長せざるを得なかった。保育課の窓口で言われたことが腑に落ちなかった。
「1円でも収入が低いほうが入りやすいですから」
認可保育園は児童福祉法に基づく施設のため、所得税額が低い世帯が最終的には優先される。数百人が同じ条件で並ぶ激戦区では、所得や生活レベルに大差がなくても入園の可否が分かれるケースがある。
「年収400万円でも500万円でも、預けられないと困る状況に差はないはず。選考基準は現状に即して見直してもらわないと、公正さに欠けます」
※AERA 2013年7月8日号