近年増えている、子供を持つ母親同士の「ママ友」トラブル。漫画家で、2児の母でもある倉田真由美氏は、自身の「ママ友」との付き合い方について次のように話す。
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私はママ友とべったり付き合わないようにしています。トラブルになるのも嫌だし、ちょうどいい距離感を保つのが難しいからです。親子同士で旅行したことはありますが、「今日は○○ちゃんの家でお茶しましょう」というような日常的な付き合いはしません。
「私は人づきあいが得意で、一度もトラブったことはありません」という人でも、女の人だけが集まるママ友関係は別世界だと考えたほうがいい。父親には理解できないかもしれませんが、女の人は小宇宙を作りたがり、世間や人との比較をすることが脳に組み込まれているんです。
結婚したら夫がどんなスペックを持っているかを考えるように、子どもが生まれたら今度はその対象が子どもになる。一昔前の比較ポイントは学力ぐらいでしたが、今では習い事や容姿などにどんどん広がっています。同じ学年で特に同性なら受験や就職活動でライバルになる。よくできる子が理不尽にねたまれるのはしょうがないことです。
ママ友が集まれば、聞きたくなくても「○○ちゃんはオール5だった」とか「○○君は水泳が上手」と、他の子の情報が入ってきます。自分は気持ちをコントロールできても、止められなくなった別の母親に一方的に巻き込まれることもあります。
よく見えるから腹が立つのであって、他の子の情報を知ることはお互いに何もいいことはありません。夫の携帯を盗み見るのと同じです。
※AERA 2012年10月15日号