著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、秋吉久美子さんの「中國菜・老四川 飄香(ピャオシャン)麻布十番本店」の「ランチ『ミニコース』」だ。
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以前は中国料理は脂っぽかったり辛すぎたりして、男性的な荒々しいイメージを持っていたんですね。ところがこの四川料理のお店と出会ってまったく新しい体験をしてから、その考えが見事にくつがえされました。なんと言ってもその香りのよさには驚きましたね。
ランチはいつも季節の料理が少しずつ味わえるミニコースをいただきます。ひと皿ごとに香りが違っていて、とても上品でヘルシー。前菜の「よだれ鶏」はとくに好きな一品で、すっきりとした中国山椒の香りが楽しめます。最後に小ぶりの器で出される汁なし担々麺もちょっとほかにないおいしさ。四川といえども全体的に辛みが強すぎず“ゆかいな辛さ”って言えばいいのかしら……器も美しく、デザートに至るまで丁寧に工夫されています。
聞けばシェフは本場四川に食材を探しに出かけたり、いまだに現地の店で料理の腕を磨いていらっしゃるそう。おまけに雰囲気もサービスもいいから、つい足が向いてしまいますね。
(取材・文/沖村かなみ)
「中國菜・老四川 飄香 麻布十番本店」東京都港区麻布十番1‐3‐8 FプラザB1F/営業時間:11:30~14:00L.O.18:00~21:30L.O./定休日:月、第1・第3火
※週刊朝日 2020年3月6日号