もちろんコーチの私が選手の調子を上げるように頑張らなければいけないのですが、手をさしのべるだけがコーチングではありません。五輪の大舞台で泳ぎとペース配分をコントロールして、世界の強豪に立ち向かう。そんな自覚を促す指導が足りなかったということを強く感じました。
白井璃緒(りお)は2日間とも積極的なレースを見せました。2日目は大橋、青木もいい泳ぎを見せ、萩野は200メートル個人メドレーで2位でしたが、気持ちを切り替えて挑んでいました。
私自身も反省すべき点があります。昨年10月以降、メンタル面や目標設定について頻繁にミーティングを行うなど、チーム全体の足並みをそろえる工夫がもっと必要でした。その上でパフォーマンスを向上させるための練習プログラムを考えて、選手たちにきちんとやらせなければいけなかった。
次の競技会はいよいよ五輪選考会となります。過ぎてしまった時間は今更戻せませんが、高地合宿では最も効果的な練習メニューを組み立てて、何としても選手の調子を上げていきたい。私にとっても大きなチャレンジです。
(構成/本誌・堀井正明)
※週刊朝日 2020年3月6日号