二十八日、新年会で京都へ。ノンフィクション作家の後藤正治とわたし、某テレビ局関係の知人ふたりが寺町の老舗のすき焼き屋に集まった。わたしは車で行ったからノンアルコールビールを飲みがら歓談。思えば後藤さんとは長い。もう三十年以上のつきあいになる。年に二、三回は会って酒を飲んでいる。
すき焼き屋のあと、祇園へ行った。馴染(なじ)みのお茶屋にあがり、舞妓を待つ(うちのよめはんは毎月、祇園へ行って舞妓のデッサンをしているから、○○ちゃんがいい、とお茶屋に電話をして予約してくれる)。わたしは舞妓もいいが、お茶屋の女将の○子さんのファンだから、彼女の花街(かがい)話を聞くのが愉(たの)しい。飲みつづけるノンアルコールビールは美味くないが、いっぱい笑わせてもらった。
舞妓が来て、舞いを見て、十一時に解散。車で大阪まで帰った(羽曳野から京都まで以前は名神高速道路を利用して二時間以上かかったが、第二京阪道路の開通後、一時間の道程になった)。
家に入るなり、「どう? おもしろかった」よめはんがいった。「ああ、そうやな」「○○ちゃん、かわいかったやろ」「かわいかったな」「わたしとどっちがかわいい?」「かわいいのは○○ちゃんやけど、きれいのはハニャコちゃんやな」「そのとおりです」
二十九日夜、この原稿を書いている。明日は朝の八時から病院へ行き、内視鏡で大腸のポリープをとる。
※週刊朝日 2020年2月14日号