放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は小泉成器の「LEDフュージョン コンパクト 2‐IN‐1 ランタン」。
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女優さんにとって、とても大切なモノの一つに「照明」がある。
いまや、「キャッチ」とか「女優ライト」なるワードは一般にも知れ渡っていて、ドラマや映画ではもちろん、番宣のために出演するバラエティー番組においても専門スタッフがやってきて照らしていることも、ある程度、知られている事実だろう。
実は私は、名取裕子さんと大学で学科が同じで、2年生のとき、『ポーラテレビ小説 おゆき』(TBS系)でデビューした彼女から、照明について、よく聞かされたものだ。
曰く、「照明さん」に気に入ってもらえると、特別な照明を当ててもらえるのだとか。彼女は、とても気さくな人で、主演女優として人気を得てからも全く偉ぶるようなところがなかったから、照明スタッフさんから可愛がられていたようだ。
ちなみに、そんな彼女に当てられる照明の種類は、撮影所内で「ナトリックス」と呼ばれていたそうな。ほかにも、野際陽子さん専用の「ノギワックス」、岩下志麻さん専用の「シマックス」などがあったと聞いた。
私は“バラエティー班”の人間なので、女優さんと仕事をする機会はめったにないのだが、先日、女性週刊誌で由美かおるさんと対談をさせていただいた際、改めて、女優さんと照明の関係を目の当たりにした。