そんな弘山監督について、選手たちは次のように語る(エントリー区間は12月29日発表で、大会当日に変更の可能性あり)。
1区・西研人(3年)
「弘山監督の大好きなところは、おおらかなところ。ほんとに怒ったり理不尽なことを言ったりしない。そういう意味では、素直に(弘山監督の)言葉が入ってくる。信頼しています。調子が悪い時でも(予選会後の)練習後のミーティングで、『本戦、西が1区走ればおもしろいんじゃないか、そういうのを想像したら練習もっと楽しくやれんじゃないかな』とかぽろっと言ってもらえたことがある。そんな何気ない一言でも自分には力になり、その言葉を励みに頑張れました」
7区・杉山魁声(2年)
「弘山監督は選手の能力や調子を見極めるのが非常に高い方だなと感じています。自己ベストを更新した際、動きの改善を重点的に行っていたのですが、タイムだけでなく動きを見て『今の動きはかなりよくなっているから、これからもどんどん伸びていくぞ』と言われました。自分がやっていたことが弘山さんには届いていた。選手の分析がうまい方だなと思いました」
8区・伊藤太貴(2年)
「技術面だけでなく精神的な面で引っ張ってくれる監督だと感じています。5月頃から3カ月ぐらい、けがをしていてネガティブな発想になり、予選会を走るのは厳しいかなと思っていた時もあったんですが、『もっとも伸びる時期だからここで腐らず』というメッセージをいただいて、ここで、自分もっと頑張らなければいけないなと感じて、今走れるようになりました」
10区・児玉朋大(3年)
「可愛いイメージ(笑)。口数が多くない監督なんですが、話しかければしっかり教えてくれます。普通の何気ない会話でも、おちゃらけた感じで会話に入ってくる。そういうところは可愛いな、と(笑)。印象に残った言葉は、『チームに児玉が必要だ』。ケガが多くて、春シーズンはうまくいかないことが多くて無理して走ってしまうことがあったんですが、そこで『予選会ではお前が必要だから。今は休んどけ』とか声かけてもらって(印象に残っています)」
補欠・山本尊仁(2年)
「口数が多い方ではないが、指導が論理的で自分の走りの改善に直接つながっています。チームのみんなの記録が出ないときでもネガティブな発言はなく、ポジティブな発言が多くて、勇気づけられています」
補欠・河合俊太朗(2年)
「1年の時にけがをして全然駄目でした。でも、そんな時も弘山監督はしっかりみてくださっていて、論理的にアドバイスしてくれて、時には励まされ、叱られもしました。ここまで頑張れたのも弘山さんが必要としてくれたからだと思っています」
チームの目標は、シード権(予選会免除での出場)を獲得できる10位以内。高校2年でサッカーから陸上に転向した西は言う。
「弘山監督のかけている思いが、例年よりも強いと思いました。今年は狙えるな、狙わなければと」
弘山監督はこう意気込む。
「選手層が厚くなり、明らかに今年はチャンス。予選会では、上位5人の記録が、外国人選手を除けば筑波大学がトップです。もし、6番以降の選手がもっと実力を出していれば、予選会3位以内もおかしくなかった。掲げる『シード権獲得』というのは全然到達できない目標ではないと思っています」(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日オンライン限定記事