カジノ解禁法案が採決された衆院内閣委員会で、委員長を務めた秋元司衆院議員(C)朝日新聞社
カジノ解禁法案が採決された衆院内閣委員会で、委員長を務めた秋元司衆院議員(C)朝日新聞社
秋元容疑者が本誌記者に送ったメール
秋元容疑者が本誌記者に送ったメール

 カジノなど統合型リゾート(IR)をめぐり、中国企業側から現金200万~300万円を不正に受け取っていたとして、東京地検特捜部は12月25日、自民党の衆院議員(東京15区)、秋元司容疑者(48)を収賄容疑で逮捕した。

【画像】秋元容疑者から本誌記者に送られてきたメール

 年末に現職の国会議員逮捕という異例の展開。秋元容疑者は2017年8月から昨年10月までIR担当の内閣府副大臣を務めていた。特捜部は今月19日、中国企業の日本法人役員を名乗る日本人男性らが無届けで国内へ現金数百万円を持ち込んだとされる外為法違反事件の関係先として、衆院議員会館内の秋元容疑者の事務所などを家宅捜索。元秘書や秋元容疑者本人からも任意で事情聴取していた。押収した資料を分析した結果、秋元容疑者が中国企業側に便宜を図る見返りに現金を受け取った疑いがあると、特捜部は24日に逮捕状を請求していた。

 中国企業はインターネットカジノなどを手がけ、17年7月に日本法人「500ドットコム」を設立。8月にはIRをPRするシンポジウムを沖縄県で開き、秋元容疑者は同社最高経営責任者と一緒に講演するなどしていた。

 秋元容疑者は逮捕前まで本誌の電話取材にこう語っていた。

「東京地検特捜部の調べは、乱暴なものだ。最初からカネもらったと決めつけ。罪については否認している。ありえない。そんなカネもらう必要ない。カネに困っているわけでもない。IR担当副大臣というポジションで、そういうことには気をつけていた。よく考えてください、まだ法律も全部できてないし、便宜図るなんてこともできない。絶対、認められないし、戦いますよ」

 逮捕前日、秋元容疑者はマスコミの追跡を振り切ってある外国大使館に現れた。そこでさらに事件について詳細を語っていた。

「検事には腹が立った。任意の事情聴取なのに、『どうせ否認するんでしょう』『このままいけば、初公判は来年5月くらいかな』『先生のために早く裁判を開けるようにこっちも考えている』ともう逮捕したかのような話をするんだ。疑惑とされている事件について聞いたのは、少しだけだった」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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東京地検特捜部は自信