東京地検特捜部の事情聴取を受けた後、秋元容疑者の捜査批判は止まらなかった。

「マスコミで騒がれている中国の会社の顧問かなんかは会ったかも、という程度の記憶。顔見てもはっきり覚えていない。もちろん、カネなんて受け取るわけがない。IR担当ということで、変なことしたら、危ないことはわかっている。もらうわけない」

 だが、秋元容疑者は自身の元秘書に話が及ぶと言葉に詰まっていた。

「やめた秘書が、中国の会社と関係があったかもしれない。そこが何をしていたのか、まったく知らないんです。だが、秘書を通じても私がカネをもらったなんてありません」

「IRには、アメリカなど世界的なカジノ関連会社が名乗りをあげています。そんな会社なんてそれこそ、『副大臣の力でうちに決めてくれ』なんてダイレクトに頼んでくるところもある。私もマカオなど視察に行きました。カジノ関連会社は食事に、車を出すとか言ってました。けど、全部、自腹でやりましたよ。変なことになったら困ると注意していたからです」

 しかし、東京地検特捜部は立件に自信をみせているという。

「国会が開会すると国会議員の不逮捕特権があることも視野入れて捜査。このタイミングでの逮捕となった。秋元容疑者が否認するという前提で捜査してきた。周辺からの証言、銀行口座などからバッチリと外堀は埋められている。否認しようが、有罪にできる証拠は揃っている。職務権限のある政治家が、カネで便宜をはかり、通常の手続きをねじ曲げる。あってはならない行為だ。今の特捜部部長が2月で異動するので、最後の花道だね」(捜査関係者)

 秋元容疑者は東京地検特捜部に出頭する直前の25日午前10時半に次のようなメールを本誌記者の携帯電話に送信してきた。

「事実無根であり、全く関与してません」

(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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