著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、キャスター・宮川俊二さんの「ソルト」の「ベーコンとキノコのオーブン焼きオムレツ」だ。
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僕は学生時代からハワイアン音楽をやっていて、ボーカルとギターを担当しています。最近はフラブームの影響もあり、演奏を頼まれる機会が増えました。ある日、練習後に店の前を通りがかって、仲間と立ち寄ったのがこちら。「おいしそうな店だな」というカンを頼りに入ってみることに。
まずはワインで乾杯して自家製パテを食べたところ、期待以上の本格的な味でした。「あれっ?」と思って厨房を見たら、外国人シェフが料理を作っていて納得。日本人シェフの場合、比較的、日本人の繊細な舌に合わせた優しい味わいになりがち。しかしここの料理はスパイス使いもためらいがなくて、エッジがきいているんですよね。
鉄の鍋のまま熱々で出されるこのオムレツもとってもチーズが濃厚でシェフらしい料理。中にベーコンとキノコが入っていて、チーズがとろとろ。鍋の縁についたお焦げをこそげ落として食べたらカリッカリでうまい。これだけで、ワインが何杯も楽しめます。
(取材・文/沖村かなみ)
「ソルト」神奈川県川崎市宮前区宮前平1‐10‐12/営業時間:11:30~14:30L.O. 17:30~22:30L.O./定休日:火
※週刊朝日 2019年11月29日号