退団を決め、胸中を語る楽天の平石洋介前監督(C)朝日新聞社
退団を決め、胸中を語る楽天の平石洋介前監督(C)朝日新聞社
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2011年7月のオールスター第3戦で、試合開始前に被災地への支援などに対し感謝のスピーチをする楽天の嶋基宏(C)朝日新聞社
2011年7月のオールスター第3戦で、試合開始前に被災地への支援などに対し感謝のスピーチをする楽天の嶋基宏(C)朝日新聞社

 楽天・石井一久GMに反発の声が上がっている。

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 監督就任1年目でチームを最下位から3位に躍進させた平石洋介前監督に対し、来季は新設の「2軍統括」を提示。平石前監督はこの打診を断って退団した。また、将来の監督候補として人望が厚かった嶋基宏捕手も、「戦力として見られていないと感じた。それが一番の理由です」と球団を去った。

 平石前監督は選手として7年、指導者として8年、球団創設時から楽天に在籍した。嶋も2013年に球団創設初の日本一に貢献するなど13年間プレーし、チームを象徴する選手だった。それだけに退団の衝撃は大きい。

「平石監督を見切る理由が分からない。嶋もそう。なぜあれだけの功労者にあんな扱いをするのか」

「則本(昂大)、岸(孝之)が稼働しなかったにもかかわらず、CS(クライマックスシリーズ)入りしたのだから平石さんを続投させるべき。石井さんのやり方は楽天には合わない。東北のファンは勝てばいいというわけではない。来年成績が出なかったら、責任を取ってほしい」

 ファンからの反発の声は、想像以上だった。

 石井GMも悩んだ末の決断だろう。情だけではチームを作れない。今季のチーム盗塁数はリーグ最少タイの48。平石前監督の試合中の采配には疑問符が付く場面が見られた。嶋も肩が弱いため盗塁を許す機会が多かった。

 楽天担当の記者だったスポーツ紙デスクは、こう分析する。

「個人的には平石さんが1年で終わるのはもったいないかなと。例えば、機動力を強化したいというなら(2軍監督から昇格した)三木肇監督をヘッドコーチに置いても良かった。平石さんは周囲の意見に耳を傾ける柔軟な人間です。あれだけ頭が良い人材はなかなかないない。退団は大きな損失だと思います。嶋も円満な退団だったかというと疑問が残る。もう少しうまくやりようがあったと思います」

 昨オフはフリーエージェント(FA)で西武の浅村栄斗を獲得するなど、石井GMの手腕を支持する声が多かった。だが、今オフは風当たりが厳しい。「石井流変革」は吉と出るか凶と出るか――。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事

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