林:11月28日というのは歴史的な日なんですね。
澤田:そうなんです。柳井さんも玉塚を気に入ってくれて、彼はその年、ユニクロに入ってきたんです。それからユニクロで一緒に仕事をして、彼は社長を3年弱やったんです。
林:玉塚さんがユニクロをやめたときも、すごく話題になりましたよね。
澤田:彼から「俺、やめる」って電話かかってきたんで、「俺も今やってる会社(キアコン=投資ファンド運営会社)をたたんで、次の会社をつくるよ」と言ったら、「一緒にやりましょう」ってワーッと乱入してきて、会社を一緒につくったんです。それがリヴァンプ(企業の経営支援会社)です。
林:澤田さんはそのあとファミリーマートの社長をなさって。玉塚さんは……。
澤田:玉塚はローソンさんに行ったんです。そこで副社長から社長、会長をやって今のデジタルハーツさんに行ったんですね。
林:皆さん社長とか副社長ですぐ迎えられて、すごいですね。それが新しい世代の経営者たちなんですね。
澤田:そういう時代になったんですね。
林:澤田社長がファミリーマートに行ったのは、伊藤忠のほうから言われたんですか。
澤田:伊藤忠グループであるファミリーマートの社長としてオファーがあったときには驚きました。2兆円の会社(ファミリーマート)と1兆円の会社(サークルKサンクス)が統合する中で、「トップをやれ」と。
林:伊藤忠をやめて何年ぐらいしてからそう言われたんですか。
澤田:約20年ですね。僕が伊藤忠の当時の社長に「伊藤忠こそ流通業を本気でやるべきです」と手紙を書いてから。当時も会社として検討はしてくれたのですが、僕が経営陣を説得しきれなかった。結果として時期尚早だと。それから20年後、「おまえしかいない」と言われてうれしかったです。やめても僕のことを見てくれていたんだなとありがたく思いました。
(構成/本誌・松岡かすみ)
※週刊朝日 2019年9月13日号より抜粋