今回は、中森明菜に書いた「約束」、牧瀬里穂への「ミラクル・ラブ」、広末涼子への「MajiでKoiする5秒前」、岡田有希子への「ファースト・デイト」「憧れ」などが収録されている。
「『約束』は、明菜さんのアルバム『CRIMSON』に5曲書いた中の一曲です。私なりに彼女のイメージに合わせて、ちょっと切ない恋の未練を表現してみました」
後に竹内がセルフカバーし、シングルにもなった名曲「駅」も1986年の『CRIMSON』のために書いた曲だった。
「かつての恋人を駅で見かけた設定の曲です。雨を降らせたり、主人公の女性の記憶にあるレインコートを男性に着せたり。ひとつずつ頭の中に風景を描き、物語をつづっていきました」
竹内の「駅」は、山下達郎がアレンジを手掛けているが、
「この曲はリズムが意外と骨太にできています。ドラムの純君(青山純)とベースの広規さん(伊藤広規)のすばらしいコンビネーションに達郎のギター・カッティングが絡み、さらに服部克久先生の流麗なストリングスが響くというアンサンブル。その絶妙なアレンジによってスタンダードな一曲となりました」
牧瀬里穂の「ミラクル・ラブ」のレコーディングでは、女優の牧瀬が初めてのレコーディングに対してとても不安そうな様子だった。「歌入れのとき、スタジオのブースで、牧瀬さんの横に立って、肩に触れながら一緒にリズムを取った光景を思い出します」
「MajiでKoiする5秒前」は、16歳だった広末涼子のデビュー曲だった。
「広末さんは高校生で、制服のままスタジオに来て、一緒にお弁当を食べながら、彼女が育てるたまごっちを見せてもらいました。今回の『Turntable』のショートムービーに出演していただき、久しぶりにお会いしましたが、今やすっかり名女優ですね。3児の母と聞いて時の流れを感じました」