

平成生まれの若き4人の監督が、令和初の頂点を争う第101回全国高校野球選手権大会の第4日(9日)までに初陣を迎えた。
吉池拓弥監督(28)率いる初出場の飯山(長野)は9日、49代表校のうち最多の28回出場を誇る仙台育英(宮城)と対戦。三回表、死球で出塁した走者を犠打で進めて単打で返すという手本のような展開で先取点をもぎ取った。だが、その裏から仙台育英の猛攻に遭った。計24安打を浴び、1―20と大敗。それでも、一塁側スタンドを真っ白に染めた大応援団をはじめ、球場内から何度も後押しの拍手が送られた。
吉池監督はこう悔やんだ。
「甲子園で勝つことは難しいと実感した。飯山らしい先制パンチを食らわせたと思ったが、相手の粘り強さ、力強さに、三回裏は圧倒されてしまった。もっといろいろ声をかけて止めてあげられればよかった」
丸子修学館(長野)の控え選手として、2008年春の選抜大会を経験。白星を挙げられなかったため、「もう一度甲子園に行って勝ちたい」と指導者になった。
17年に飯山に赴任し、昨年10月に監督に就任した。「甲子園」が現実的でなかったチームに対し、「甲子園出場」ではなく「甲子園で勝つこと」を目標に掲げると、徐々にチームの意識が変わっていった。
若さはすなわち、選手との年齢の近さを表す。その強みを、二塁手の若林陽生(3年)が語った。
「コミュニケーションがとりやすい。自分たちがやりたい練習メニューを頼みやすいです。挟殺の練習だったり、ゲッツー(併殺)オンリーのノックだったり、練習試合で出た課題をすぐ翌日の練習メニューに入れてもらっていました」
仙台育英戦前のミーティングで、吉池監督は「今日はぼくが勝たせてやる」と話したという。
「試合内容は苦しかったが、選手たちは元気よくできた。大観衆の中で自分たちのやりたいことができる幸せな場所。1年目から選手たちがここまで連れてきてくれた。本当に選手たちには感謝しかない」