TOKYO FMのラジオマン・延江浩さんが音楽とともに社会を語る、本誌連載「RADIO PA PA」。今回は「ユーミンとCharの夢のコラボ」について。
【写真】夢のコラボ!ユーミンとCharのライブシーンがこちら
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ワクワクする対バンだった。ユーミンとCharは、ともにティーンでデビューした早熟の天才である。Charは8歳でギターを始め、11歳でバンドを結成するとドアーズをコピー、中学3年でスタジオミュージシャンに。14歳からキャンティに出入りしたユーミンは17歳で作曲家デビュー、72年にかまやつひろしのプロデュースで荒井由実としてシングル「返事はいらない」をリリース、翌年リリースしたアルバム「ひこうき雲」は今も永遠の名盤として聴き継がれている。
八王子の呉服屋の娘と品川戸越の開業医の息子。良家の子女で元祖ロックを愛する少年少女の対バンは、会場が専門学校キャンパス内の施設ということで、どこか懐かしい青春の香りがする学園祭のノリとなった。
「ユーミンとかオレがウロウロしていた日比谷野音や共立講堂では、先輩のバンドがライブをやっていて、クリエイションもフラワー・トラベリン・バンドもサディスティック・ミカ・バンドも、あそこから海外へ出て行った」とChar。
そんな思い出話も含め、オープニングは二人の音楽談義の映像が流れた。
「付き合っている女の子の家に行くと、荒井由実のレコードがあるんだよ。洋楽のメロに、よく日本語を乗っけているなっていうのを検証できた。当時のスッチー(スチュワーデス)は普段洋楽しか聴かないって顔をしているのに、とにかく家に行くと必ずあるんだよ」
「それがお嬢さんの成れの果て(笑)」(ユーミン)
「同性に好かれるのはすごい大事で、特に女子の方が情報をゲットするのが早いんだな」
「意識しているわけじゃないけど、作品のリアリズムだと思う。それまで、女の子の歌って男目線の歌詞だったけど、私は普通に女子が思うこととか風景を歌っていたから、シンパシーを持ってもらえたんじゃないかな」とユーミン。
Charとのデュエット「Corvett 1954」でユーミンのライブがスタート。