「今日は『ロック・ティーン』に戻りたい人が集まっている。東京の不良を思い切りぶちかましましょう!」とユーミンが高らかに宣言すると、「まさかユーミンと蒲田で対バンするとはね。ここはヤバイ場所だったんだ」とCharが会場を沸かせた。
Charのギタープレイが炸裂した「SMOKY」に、「超かっこいい! スカッとしたギターを聴いていると下北にスモーキー・メディスンを見に行ったのを思い出す」とユーミンが拍手し、ユーミンの「雨のステイション」で、観客は一転10代の頃のセンチメントに酔う。そして、「埠頭を渡る風」「BLIZZARD」でまたもや大歓声に。Charがカバーするクリームの「Crossroads」に、ユーミンが「Sign of the Time」「恋のスーパーパラシューター」を重ね合わせマッシュアップ、「DANG DANG」にCharのカッティングギターが光り、全員がスタンディングオベーションとなった。二人とも東京っ子らしく(それは僕ら観客も)、ケレン味のない粋なステージだった。ライブが終われば楽しかったと言いあいながら、それぞれの自宅に帰るのだ。
ミッツ(・マングローブ)と連れだって楽屋挨拶を終え、帰りのエレベーターの扉が閉まる直前、そこを通りかかったCharが小林麻美さんに手を振った。彼は麻美さんやユーミンと1歳違い。「来ていたんだ。久しぶり!」
※週刊朝日 2019年8月16日‐23日合併号