「例えば、患者さんのなかに“食べないけど太る”という方がいらっしゃいます。でも話をよく聞けば、実はスーパーでおいしそうなものがあると買ってしまっている。食行動質問表は、無自覚なそういった行動に気づいてもらうためのチェック表です」(同)

 各タイプを解説しよう。

【A】認識ズレ太り
食べなくても太るのではなく、食べているから太るということを理解すること。そのためには、1日4回体重計に乗って、食べた量をつねに意識することが大事だ。

【B】食いしん坊太り
食べる量を減らすよりも買う量、食卓に並べる食事の量を減らすところから始める。

「付き合いで食事をする人もいます。そのときは食べることより、おしゃべりを楽しんで。付き合いが多い人のなかにも痩せている人がいるはず。そういう人はそうやって食事の量を減らしているはずです」(同)

【C】ストレス太り 食べること以外のストレス解消法を見つけること。もう一つ重要なのは、「食べてしまったことを後悔しないこと」だそう。

「後悔はダイエットの敵です。完璧さを求めるのではなく、食べてしまっても“仕方ない、明日から頑張ろう”と頭を切り替えることが大事です」(同)

【D】満腹感覚の低下太り、【E】フードファイター太り
まずはおなかがぐーっと鳴るまで食べない、食べるときは一口ずつ箸を置く、といった工夫が必要。昼食や夕食を摂らなければいけないという固定観念も捨てよう。おなかがあまり空いていないときは、食事は抜いてもいいのだ。

【F】脂質・糖質過剰太り
コンビニやファストフードに立ち寄らない。

【G】生活習慣太り
1回の食事を減らして、小分けにして摂る。

 なお、“運動しないから太る”という認識も間違い。運動をすれば痩せるが、その逆は真実ではなく、運動不足は肥満の原因にならないと、工藤さんは話す。

 その証拠に、国民健康・栄養調査結果の概要(平成29年)によると、肥満の人(肥満指数BMIが25以上の人)の割合は、男性が約3割、女性が約2割に対し、運動不足の人(運動習慣がない人)の割合は、男性が6割強、女性が約7割。

「運動不足の人が太っているのなら、この数字は一致するはず。数字が合わないということは、“太っているイコール運動不足”ではないということ。やはり太るのは食行動が要因です。出汁ダイエットとあわせて、自分の食生活、行動を見直していきましょう」(同)

(本誌/山内リカ)

週刊朝日  2019年6月28日号より抜粋

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