私が、今、最も憂慮しているのは、このまま、まともな政策論争が行えなければ、結局は、マスコミを権力と豊富な政治資金で牛耳ることができる自民党のワンサイドゲームが続き、事実上の独裁政権ができてしまうのではないかということだ。そして、日本経済は世界の流れからどんどん取り残されていき、気づいたら手遅れということになるのだろう。

「慣れ」というのは恐ろしい。集団的自衛権の行使を解釈改憲で認める法律が成立してから3年半以上が過ぎた。

 今、野党側は、憲法改正反対と叫んでいるが、多くの人々は、解釈改憲のことはもう忘れてしまったかのように感じる。

 様々な政権のスキャンダルも、10年前なら、何回も政権が倒れているような話だが、それを野党が追及すると、「まだ国会でそんなことを議論しているのか」という声が出る。多くの記者たちも、「ああ、またか」という対応だ。

 何とかして、まともな政策論争ができる環境を作れないのか、真剣に考えなければならない。

週刊朝日  2019年6月14日号

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