ただ、昨年もスランプの時期はあった。6月下旬から7月にかけて32打席連続無安打。それでも、我慢強く4番から外さなかった高橋由伸・前監督の期待に応えて復調した。
原辰徳監督も岡本を信頼する。昨オフ、他の選手と競わせず、4番で固定すると明言。2014年のドラフトでは補強ポイントが即戦力投手だったのにもかかわらず、原監督がスカウトと話し合い、将来4番を打てる和製大砲として岡本を1位指名した経緯がある。
対照的に絶好調なのが坂本だ。10日のヤクルト戦(東京ドーム)で開幕戦から34試合連続出塁を達成し、1977年の王貞治(現ソフトバンク球団会長)の球団記録を更新した。打率3割4分3厘、12本塁打、29打点はいずれもリーグトップに立つ。
だが、前出のデスクは「坂本だって長いシーズンで打てない時期は必ずきます。そこで岡本がカバーできるか。4番の仕事はここぞという時にチームを救うことです」と力説する。若き大砲がこの試練を乗り越えられるかどうかが、今季の巨人の行方を左右しそうだ。(春日哲也)
※週刊朝日 2019年5月24日号
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