西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のテーマは「一病息災」。
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【ポイント】
(1)80歳を過ぎても気になるところなし
(2)症状が出なければ、気にならない
(3)体内の微妙なブレーキが一病息災の秘密
あるサプリメントの新聞広告に、「70歳を過ぎても、気になるところが一つもない!」という健康をアピールするキャッチコピーが載っていました。それを言うなら、私は80歳を過ぎても気になるところが一つもありません。
といっても年2回の健康診断は満身創痍なのです。血液検査で肝機能の指標であるγ‐GTPの値が250くらいあります(正常値は30ぐらい)。さらに、総コレステロールが250前後。中性脂肪は正常値をオーバーしています。また腹囲が90センチを超えていて、メタボリックシンドロームの仲間入りです。
でも、それが気になっているということはありません。γ‐GTPは20年以上同じ値で高値安定です。ほかの肝機能がほぼ正常なので、よしとしています。メタボは、年をとったらメタボ気味のほうがいいというのが私の持論です(2018年8月10日号)。
ただ、γ‐GTPにしろ、メタボにしろ、それが抑止力になっているのは事実です。酒は毎日、欠かしませんが、酒量は一定で飲みすぎないようにしています。食べることについても、好きなものを少しだけ食べるようにしていて、最近、付き合いで食べることをやめたら、体重がやや減ってきました。
一病息災という言葉があります。持病が一つぐらいある方が、まったく病気なしで健康な人よりも長生きするという意味です。
そういうことで言えば、私は一病どころか二病持っています。高血圧症と痛風なのです。いずれも60歳になりかかった頃から20数年の付き合いです。