
29日からセ・パ同日開催でシーズンが開幕した。昨年のパ・リーグは西武が破壊力抜群の打線で圧倒してリーグ制覇。短期決戦は2位・ソフトバンクが勝ち抜いて日本一に輝いた。今年は戦前の順位予想でソフトバンクを優勝候補に挙げる声が多い。リック・バンデンハークが腰の張り、中村晃が自律神経失調症、デニス・サファテも調子が上がらずに2軍スタートと万全ではないが、投打共に選手層が厚く絶対的に有利という評価が揺らがない。
昨季のリーグ覇者西武はエースの菊池雄星、前主将の浅村栄斗と投打の軸が抜けた穴が大きい。一方、ソフトバンクに総合力で見劣りしないと対抗馬に挙げられるのが日本ハムだ。昨オフは効果的な戦力補強を敢行。台湾で2度のシーズン打率4割をマークした王柏融を獲得。さらにオリックスを退団した金子弌大、ヤクルトとのトレードで秋吉亮を補強した。かつてオリックスのエースだった金子は、先発要員として2ケタ勝利を勝てる資質を十分に備えている。侍ジャパンでも救援で活躍した秋吉は右のセットアッパーとして勝利の方程式に組み込まれる。2年目の長距離砲・清宮幸太郎は右手有鈎骨骨折で戦線離脱したが、投打共に充実した布陣だ。
チームの命運を握るのが巨人から移籍3年目の大田泰示だ。移籍1年目の17年は自己最多の打率・258、15本塁打。昨年は大ブレークが期待されたが死球で左手骨折による戦線離脱が響き、打率274、14本塁打。オフに背番号が「33」から「5」に変更となったのは首脳陣の期待の表れだ。古巣・巨人は「2番・坂本勇人」が新打線の目玉だが、日本ハムも攻撃的布陣で昨年同様に大田が今季も2番で先発出場する試合は多いだろう。球界関係者は「ケガなく1年間出場すれば結果は残すでしょう。能力を考えれば3割30本塁打を打っても不思議ではない」と実力を高く評価する。
打線は西川遥輝、近藤健介、中田翔、大田と年齢的にも脂が乗りきっている選手が多い。長丁場のシーズンで各選手がきっちり結果を残せば、16年以来3年ぶりのリーグ制覇の可能性は十分にある。(梅宮昌宗)
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