絶対王者といわれる羽生結弦。けがからの復活Vなるか(c)朝日新聞社
絶対王者といわれる羽生結弦。けがからの復活Vなるか(c)朝日新聞社
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 5年ぶりに日本開催となったフィギュアスケートの世界選手権大会(さいたまスーパーアリーナ)で、男子シングルの闘いに国内外の注目が集まっている。絶対王者羽生の復活Vはあるのか。実力が伯仲し、誰が優勝してもおかしくない今大会の表彰台をプロとファンが占った。

「ユヅルが見たい。チケットなんとかならないか」

 3月初め、海外からこんなメールが都内在住の40代の女性のもとに届いた。米国人の友人は「生で」演技を見たいのだという。

 ただ、観覧券は発売早々にプレミア化。大会1週間前には、ある転売サイトで男子シングルフリーの競技がある3月23日は、最高35万5千円で売られていた。少なくとも1月の時点で似たような状況だったので、もっと前に日本人に「代行」を頼んだとしても入手は困難だった。

 例年にない盛り上がりをみせる世界選手権。男子シングルの日本代表選手は、羽生結弦、宇野昌磨、田中刑事の3人。本誌ではファンを対象にアンケートを実施。今大会で活躍を期待する選手とその理由などをたずねた。2月初旬にインターネット上で実施したところ、2週間で回答は6544も集まった。

 男子シングルの結果は、羽生を応援する声が最も多く、宇野、米国のネーサン・チェンと続く。チェンはエール大学に進学した文武両道の選手。金メダルは、この3人の争いになるとみられている。

 今大会は、海外メディアも注目。来日したオリンピックチャンネルのメリル・デイビスさんに、シングルの優勝者を予測してもらった。メリルさんは、アメリカのフィギュアスケーター(アイスダンス)で、ソチ五輪金、団体で銅、バンクーバー五輪銀メダリストでもある。

「怪我の問題なければ男子はユヅル。男子はユヅルとネーサンの闘いになるでしょう」  
 
 海外からも注目される羽生は、昨年11月のロシア杯で公式練習中に転倒して右足首を負傷。ファンが望むのは、けがからの復活Vだ。

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絶対王者?一年前とは周囲が変わっている……