■SSHで研究した、ネコの健康管理システム
東大工学部 勝間田里菜さん 市川(千葉)
中1の1学期まで中高一貫の市川中に通い、その後2年半、親の仕事の都合でオーストリアのインターナショナルスクールで学び、中3の3学期に帰国した。
「英語が上達し、いい経験になりました」
高1のとき、東京理科大のGSC(グローバルサイエンスキャンパス)の基礎コースに応募し、受講。高1の夏には5日間のエンパワーメントプログラムに参加し、容器の底に圧力センサーをつけ、飲料の残量をスマホに知らせる「残量通知機能付きボトルキーパー」の研究をした。冬にはタイで行われたITの研究発表会に参加した。
高2のときには、週1回、5~6時間目のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の活動時間にGSCの発展コースを受講し、東京理科大野田キャンパスの研究室でセンサーと機械学習の研究を続けた。
「ペットのネコの部屋に監視カメラを設置してネコの動きを観察しながら、首輪につけた加速度センサーと餌皿につけた圧力センサーのデータを分析し、ネコの健康管理システムを構築しました」
この研究成果を「人工生命とロボットに関する国際シンポジウム」で、英語で発表し、Young Author Awardを受賞した。
工学部の推薦入試の小論文課題は「工学分野の研究や開発によって、どのように食の価値を向上させられるか」を問う難問だった。
「農業従事者が減少していることに注目し、ベテランの農家が天気や温度などによって行っている農作業をマニュアル化するアイデアを考えました。面接では、二つの研究と英語力をアピールしました」
東大でソフトウェアやハードウェアの開発に関する最先端の勉強をして、将来は広い視野を持ち、国際的に活躍できる研究開発者になりたいと考えている。
(文/庄村敦子)
※週刊朝日2019年3月22日号に加筆