さらに最近ではED(勃起不全)やアルツハイマー病などとの関連も指摘されてきています。EDについては、台北医学大学の研究チームがED男性3万3000人とそうでない男性16万2000人を対象に5年の追跡調査を実施。その結果、ED群では中等度以降の歯周病を持つ人の割合が27%(EDでない群で9%)で、学会発表された際、多くの関係者が衝撃を受けました。

 陰茎の内部に何らかの理由で血液が流れないと勃起ができなくなります。その原因の一つに血管内の内皮細胞の機能低下がありますが、慢性的に口の中で炎症が続く歯周病が血管内を傷つけていることが引き金ではないかと考えられています。

 いかがでしたか? この記事で歯周病の恐ろしさがわかっていただけたのではないでしょうか。これを機に、歯周病に関心を持っていただけたらありがたいと思います。

◯若林健史(わかばやし・けんじ)歯科医師。若林歯科医院院長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事、日本臨床歯周病学会副理事長を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演

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