しかし、これらの盛り上がりと同時に、今年の恵方巻市場には緊張が走っている。2017年、売れ残った恵方巻の大量廃棄が明るみに出たことから、農林水産省は今月11日付で、「貴重な食糧資源の有効活用」のために「需要に見合った販売」を行うよう、全国スーパーマーケット協会や日本フランチャイズチェーン協会など7団体に向けて文書で呼びかけた。文書では、昨年の節分で前年実績をもとに恵方巻の製造を調整し、廃棄の削減につなげた兵庫県のスーパーの事例を紹介している。

 さきの2店では、恵方巻きの大量廃棄が顕在化する以前から廃棄を抑える体制が整っている。くら寿司は予約制で、予約に応じた数を手巻きして、2月3日に店頭で受け渡す。大丸東京店は、店頭の在庫を確認しながら随時店内の厨房で作るため、例年廃棄ロスはほとんどないという。

 廃棄ロスは小売店側の努力だけでなく、消費者側の理解も不可欠だ。今年は完売する店舗が例年より多くなるかもしれない。逃さず食べたい人は予約を活用して、今年もおいしく恵方巻をいただこう。(本誌 緒方麦)

※週刊朝日オンライン限定記事

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