作家の室井佑月氏は、贈賄の疑いが指摘される東京オリンピックが「終わりのはじまり」だと危惧する。
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1月11日、フランス捜査当局が、東京五輪招致の贈賄疑惑で日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長の捜査をはじめる、というニュースが出てきた。
彼が贈賄で起訴されるかされないかは、12日付の日本経済新聞電子版の記事によると、
「五輪招致疑惑 『コンサル料』の正当性がカギに」
ということみたい。
<東京大会の招致委員会は13年、シンガポールのコンサル会社にコンサル料として計約2億3千万円を送金。コンサル会社の代表者はディアク氏(筆者注、セネガル出身で国際陸上競技連盟元会長)の息子と親密な関係にあるとされ、仏捜査当局はコンサル料の一部が当時IOC委員だったディアク氏側への賄賂となった疑いがあると判断したもようだ>
<13年には20年大会の開催都市を決めるIOC総会があり、陸上界やアフリカ諸国のとりまとめ役と見なされたディアク氏を「みな味方に付けたいと思っていた」(当時の招致関係者)という>
JOCの竹田さんは、正当なコンサル料で違法性はない、といっているが。
数年前、この問題が出てきたばかりの頃、テレビ局がシンガポールにある疑惑のコンサル会社を追った(ごめん、どこの局かは忘れてしまった)。マンションの入り口に折り畳みベビーカーが置かれたりして、完全なペーパーカンパニーのようだった。
けど、JOCは調査チームを設置し、コンサル会社にはロビー活動などの業務実態がある、といい張っているんだよな。
ま、JOCの調査チームは、コンサル会社の代表者やディアク氏、ディアク氏の息子からも話を聞くことができていないらしい。