鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
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紅白の桑田佳祐とユーミンのコラボ (c)朝日新聞社
紅白の桑田佳祐とユーミンのコラボ (c)朝日新聞社

 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「無料や定額制で音楽を聴く罪悪感」について。

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 昨年末のNHK紅白歌合戦。ネットでは神回だった!との声も多数。1年に1回の紅白なんだから毎回神回であってくれよ!とは思うが、確かに、40代以上では、桑田佳祐とユーミンが同じ画面におさまって歌っている姿に涙した人も少なくないだろう。最後のシーンは別として、あの紅白の中で、僕の中ではMISIAの歌声にまさに包み込まれた。鳥肌が立ったし、「MISIA、うめーーー!」と唸った人は僕だけじゃないはず。

 紅白が終わったあとに、思わずMISIAの「つつみ込むように…」を聴きたくなる。これも僕だけじゃないはず。だが、家にCDはない。さあ、みなさんだったら、どうやって聴くか? 特に40代以上の人はどうやって聴くのか? 40代以上で、定額のサブスクで音楽を聴いてる人はどのくらいいるのか? 今年47歳になる僕の音楽の聴き方は、2年ほど前まではCDとiTunesでダウンロードしたもの、両方を聴いてきた。そこから、CDを買わなくなり、iTunesでダウンロードのみになった。

 が、周りの人は、この1年で特に、スポティファイやLINE MUSIC、AWAなどのサブスクで聴いてる人がどんどん増えていった。20代前半の奴に聞いてみると、YouTubeか、無料で音楽を聴ける方法で聴いてしまっているという現実。音楽はただで聴くのが当たり前という感覚。

 僕らのような80年代にレコードとCDを買ったり、レンタルレコードで借りてきたものをダビングしてた世代にとっては、無料で音楽を聴くって胸が痛い、と僕は思っている。

 無料だけでなく、定額のサブスクで音楽を聴くのも、申し訳ないと思ってしまう。だって、毎月シングルCD1枚ほどの値段で好きなだけ音楽が聴けるなんて。なんで、こんなことで罪悪感を感じてしまっているんだと思うが。

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