正月に行われた箱根駅伝で4位でゴールテープを切った駒沢大。総合優勝6回を誇る「平成の常勝軍団」は「プチ復活」(スポニチ)とも報じられたが、指揮官の大八木弘明監督には、次なる試練が待ち受ける。
大八木監督と言えば、選手たちに「男だろ!」の活を入れることで知られる。昨年12月の記者会見では「箱根駅伝では3位以内に入ります。それだけは言っておきます」と宣言したが、残念ながら3強(優勝・東海大、2位・青山学院大、3位・東洋大)には食い込めなかった。
レース後、監督は「悔しさを、来年しっかり立て直していきたい」と、早くも来年に向けての抱負を口にしたが、昨年、自身が告発した「パワハラ問題」を巡る内紛はまだ収まりを見せていない。
この問題は、大八木監督が長谷部八朗学長や駒沢大出身の前DeNA監督の中畑清氏らからホルモン焼き店で「辞職勧告」を受けたことがパワハラに当たると、昨年9月、監督が代理人弁護士を通じて、大学内部監査室に文書を提出したもの。
本誌のスクープ報道を受け、大学は昨年11月27日、法曹関係者の委員5~6人で構成された第三者委員会を設置し、調査を開始。
「学内は大八木派と学長派の真っ二つに割れ、様々な意見が出ています。中畑さんと学長が対策を相談したそうです。現在、大学としては第三者委員会に調査をゆだね、関係者個々にヒアリングを行っているようです」(駒沢大OB)
中立の立場を取る大学関係者はこう話す。
「昨年の12位に続き、シード落ちとなれば、監督辞任の声も上がりますが、今回は4位ということなので、成績が理由の辞任は言えないでしょう。陸上競技部でこれからも大八木体制が続くのかどうかは第三者委員会の結論待ち。特に懲戒には当たらないという結論になれば、本人が辞めると言いださない限り、大学側から辞任とは言いづらいのではないでしょうか」
だが、学長側からの「辞職勧告」の背景には大八木監督の金銭問題があった。学内では、こんな厳しい意見も飛んでいる。
「駅伝の成績と職務規定違反は別。長谷部学長側らは大八木監督が十数年にわたってスポンサー企業と年間1千万円のアドバイザリー契約を結び、大学に正式な届け出もなく、個人収入にしていたということを問題視しています」(別の大学関係者)
箱根駅伝の平均視聴率は31.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と史上最高記録だった。大八木監督に同情的な職員はこう話す。
「やっぱり、駅伝は宣伝効果があり、功績は大きい」
第三者委員会では、2~3月ごろ、結論を出す予定。(本誌・上田耕司)
※週刊朝日 2019年1月25日号